細長のイメージが、とりもったシーンと時間
わたしそれ、きつ、うつ。うつうつ。うつつつつ。内向きになる。うっちーになる。 ちからを溜め込むように、手をからだにしがみつけて、 みずからじぶんをしばりつけるのだ。 そうすると、発散するのも内になる。 げほほほほほ。西行。 何事に とまる心の ありければ さらにしもまた 世の厭わしき とのことで、世が厭わしい。 それはなぜなに?なんの執着で? きらぼし。参上だめだった。なにをしても。 なにをしてもだめだった。手当たりしだい。 才能がなかった。 ついでに時間もなかった。 とほほほ。 とあきらめそうになって、ほとんどくじけていると、 きらりんこ と、夜空に星がきらめいたわ。 うん。 きれいだった。 悪くない。 でもまあ、それだけだった。 ーーーーーーーー きらりんこ という星は、 こっちを見ている。 なんだなんだ。 このやらあ。 という調子で、 こちらもきらりんこ星を見返す。 ふん ふふん 両者見合う。 みあった〜! ふん ふん ふふん げほげほ。 げげほ。 それのあとでこれが。・きついねえ。 いやあ、きつい。 きっついっしょ。まじで。 じっさい。 「きつい」という言葉しか出ないね。 きっつーーーい。 ・ほとんど、まったく無力であるようだった。 「ソレ」にはまったく対抗できなそうだった。 指一本触れると、その触れた指が腐ってぼろっと落ちた。 なんだかそんなの不気味だ。 はっきりいって想像したくない。 そういえば、話変わるけど今朝クルマでスズメをはねた。 左の方から3羽くらい飛んできた。 ぼこ といって、どっかいった。 スズメだったのかどうかも、よくわからないけど、 小さい鳥だった。 細くて遠いソレとソレ・最近、このところ、ずうっと、むしろ内にひきこもるような、そういう指向性を持とうとしたように思う。 個人的に、音楽をやるということはもう少し、きれいごとでありたいのだ。 だから第一原理的に、捨てたくても捨てられないもの、それをのみ持って歩むことを是としようとした。 これは、捨てても構わないもの、そのようなものから自己の執着を解こうとする動きでもあった。 ・先端が閉じてゆく。未来が暗い。 暗さのなかに飛びこんで、それでまだ遊べるなら、その気概があるなら、だいぶいい。 通常は、気概なんてものはない。 ないからこそ、終わってしまえ、という自己の放棄心に流れを任せようとする。 それでいい。いいじゃないか。 河は流れてどっかにつく。 ついた先が、安楽かもしれない。 「よお」 と呼ぶ声がすると思ったら、昔の顔なじみじゃないか。 どうしたんだ。 「あの時死んじまって、やりたいことができなかった。 ずっと、未練がのこってたんだ。」 そうか。 「あのときお前に怒ったのは、お前のことを思ってだよ。 ふうん。 「お前はなあ、もったいない、中途半端だったな。」 ああ。 記憶のなかにあるのは、いつも美化された姿なのか、正確な姿をとどめているのか、わからない。 そしてそれが意味あるものなのかも。 ほんとうのことはなんだろう。 手でつかめるものはなんだろう。 手でつかめたのは体だけど、 体がなくなったあと、手でつかめる彼は、存在しないだろうか。 彼は微笑んだまんまでいる。 ・生きているってことは、いろんな欲望をかきたてている、ってことだと思うけど、正直な人と話すと、それを感じるし、自分にもいろいろなものがほんとうはある。 「俺のこと語ってくれよお」 そんな願望が、たいてい満たされないで、 もっと別の場所にいるある人が、 そんな願望を叶えているように見える。 願望と願望が。 願望と願望と願望とが。 音楽なんて、じっさい、やってると、でくわすのは願望ばかりだ。 その願望を、叶えられない だからか、なんなのか、 ある日世界が止まったように見えて、 そこから自由な足取りで、昼も夜もない世界に出入りする。 叶えられない願望は、うしろむきに、駆け足で逃げていく人の姿をつくる。 ・ここで、「君」のことを考えなくちゃいけない。 僕らはあくまで、「君」のことを考えなくちゃいけないんだ。 君の顔を思い浮かべて。 君の気持ちの色に寄り添って。 正真正銘の笑顔を生産するために、 やっていかなくてはならないものがある。 打ち倒さなくちゃいけない、イメージがある。 そっと手を握り合って、 お互いの弱さをかばいあうように、 足取りを合わせ、 ゆっくりと前進する。 全ての人に祝福されながら。 そうだ。祝福されるべきなんだ。 それが共有されてなかった。 ときに、あるいは頻繁に、 願望が邪魔をする。 キスをする二人を。 そこには「僕」がいる。 打ち倒さなくちゃいけないのは、 はっきりといえるのは、 「僕」である。 順番を変えなくてはいけない。 おそらくは、「僕」には、 4番目か5番目になってもらおう。 あんなに輝かしい二人の顔を、 くだらないみすぼらしい願望などで、 黒い点をつけたくないからである。 さびしい「僕」に、ゆいいつ居場所を与えられるのは、 漫画喫茶ていどの広さの個室だけだ。 みんなモニター越しに、「幸せ」を見ている。 そして、願望をスルーするために、 生理的な欲望を刺激したくなる。 世界にはいくつか場所があって、 孤独さの規模は広がっているのかもしれない。 集会をつくって語り合う前に、 僕はひとりで、君に向かって歌をつくりたい。 |