2025年1月08日
詩を書く。ああ……
奥能登にまた行ってきて、またぞろ 「詩が消えていたんだあ」なんてなあ。
……折口の、あのこっわい墓地にいって、そんで、おそろしか! ありゃあ土葬かいのお
奥能登の風光 あれは、 ニシダキタロウ 京都学派について、は空振りだった
……
父が倒れたってん。
なんや、心筋梗塞ってな
別れはとつぜん やってくる
そうかもしれない。そうなのかも
祖母は、とつぜん、たおれた
脳梗塞やった。
おれは 前夜に ソナチネ みてた
北野武ばってん
どきゅーんどきゅーん
ぴすとるのおと
こわいね びくびく
おばあちゃん びびってたんやってん
梗塞ってのは ストレスかいねえ
びくっびく
いらいら
それを もたらす
間接的加害
……
ぼくたちにはなにかを 明言 する能力 ありません
まるであの 反体制派の 闘志のように
はっきりきっぱり 言い切るかくごもゆうきもございませんで
それであの
ごにょごにょ
すんのですって
……
親や家族のことなんて
はっきり言えることなかった
言ったことも
いく 行く 言う いく
言う ができなくて 行く
言う のまえに 行く
言えない のあとに 行く
ぼくのかぞく
ぼくも かぞく
ルルルルル〜 るる
る る る ルル〜
……
能登半島地震や豪雨災害からの復旧・復興を加速させようと、石川県の馳知事はかつて能登半島を大学生が3日間にわたってたすきをつないだ「能登駅伝」を復活させる方針を明らかにしました。
「能登駅伝」は、能登半島が国定公園に指定されたことを記念して昭和43年から10年間開催され、富山県高岡市から石川県の珠洲市や輪島市を通り、金沢市までの26区間、およそ350キロを大学生が3日間にわたってたすきをつなぎました。
馳知事は6日開かれた年頭の記者会見で被災地の復旧・復興を加速させるとともに、参加者と住民の交流を通して地域に活力をもたらすきっかけにしたいとして、能登駅伝を復活させる方針を明らかにしました。
開催に向けては、道路などの復旧や宿泊施設の確保などが必要だということで、新年度に準備委員会を設置し、数年後の開催を目指すとしています。
馳知事は、「能登のすばらしさを国内外に発信するとともに、復興の過程を知ってもらい、参加する学生が能登に関心を持ち続けるよう工夫を凝らしながら、記録より記憶に残る大会にしていきたい」と話していました。★
奥能登の 道を走る青年の たくましさに脳裏 焼き付きており
アホか、馳浩。駅伝より先にやることあるだろ。まだ上下水道も復旧してない、公費解体も進んでない&壊れた自宅の修理も住んでない、田畑や医療介護、その他生活に必要なインフラの整備も進んでない、人口流出加速etc なのに駅伝とか、ブルーインパルス飛ばしたのと変わらないだろ。仕事しろ。★
箱根駅伝をテレビで見たこの知事の「脳筋内」で
「駅伝やりたい」
がその脳細胞の殆どを占めてしまい、残り少ない脳細胞にわずかに残っていた「能登復興」と結びついて
「駅伝復活で復興だ」
になったと思われるが、
数年後の開催より今の住民生活を救うべきだと考えるには容量不足だった模様 ★
今年は、ちゃんと石川県にいたんですね?
東京の自宅でのんびりしてたかとw
地域の復旧復興が、まだ道半ばなのに駅伝てwww
アイデアなき無能知事を自ら露呈www ★
やっぱこの知事、無能だわ。
山本太郎さんの発言をガチで聞いたら、駅伝なんてまだ先の事でしょうが。。。自衛隊に土砂撤去を政府にお願いしてるレベルだよ?
石川県民じゃなくて良かった、まだ小池百合子のほうが良さそう。★
知事の眉毛にのっかりながら 言葉の放尿をつづけるがごとし
「やっぱり」の思いに自己確認する 自己像 知事と 影 抱擁して
……
「あんな、原発たてるようなとこだもの」「そりゃあばかよ」「どうしようもないわ」
こころがたしかにきずついていたのは
「抱負なんていったって、もう、しょうんないもんねえ」「なんかしゃべってるなんて知れたら、村八分だから」「お父さん、ずっと反対してたんだけど、最後には折れてしまってなあ」
どうしようもないことがあり 人生には それを受け容れるのが大人か、子どもか
悪い人ではないとおもった 悪い 悪 とは?
未来に みらいに ミライ に なにをのこすかのこさないのか
ノコシテハイケナイモノ が ある といいますか
……珠洲のヒトのコトバは、まっすぐで、屈折がなかった。いや、奥にはあった。たくさんの傷が。だけど、それは筋が通っていて、シンプルでクリアだった。対して、志賀町のヒトのコトバは、言い淀んで、ほほえみであいまいにするようなところがあった。善人。だけど、善人じゃだめだ。善人だからだめだ。ああ、そういうことはわかる。だけどおれはこのおかあさんを、悪人とはいえない。いやいや、そういう話じゃないんだよ……。おれは、なんだかとってもやるせなくて、やるせなくて、それで、帰りの深夜バスのなかでひとり、お決まりの、感傷があり、輝度を最低にしたスマホに打ち込む
人と人のあいだに心がありその心の無意識を今度は詩にして歌にしようと
歌にしようと
人と人のあいだの心
その無意識
奥能登にまた行ってきて、またぞろ 「詩が消えていたんだあ」なんてなあ。
……折口の、あのこっわい墓地にいって、そんで、おそろしか! ありゃあ土葬かいのお
奥能登の風光 あれは、 ニシダキタロウ 京都学派について、は空振りだった
……
父が倒れたってん。
なんや、心筋梗塞ってな
別れはとつぜん やってくる
そうかもしれない。そうなのかも
祖母は、とつぜん、たおれた
脳梗塞やった。
おれは 前夜に ソナチネ みてた
北野武ばってん
どきゅーんどきゅーん
ぴすとるのおと
こわいね びくびく
おばあちゃん びびってたんやってん
梗塞ってのは ストレスかいねえ
びくっびく
いらいら
それを もたらす
間接的加害
……
ぼくたちにはなにかを 明言 する能力 ありません
まるであの 反体制派の 闘志のように
はっきりきっぱり 言い切るかくごもゆうきもございませんで
それであの
ごにょごにょ
すんのですって
……
親や家族のことなんて
はっきり言えることなかった
言ったことも
いく 行く 言う いく
言う ができなくて 行く
言う のまえに 行く
言えない のあとに 行く
ぼくのかぞく
ぼくも かぞく
ルルルルル〜 るる
る る る ルル〜
……
能登半島地震や豪雨災害からの復旧・復興を加速させようと、石川県の馳知事はかつて能登半島を大学生が3日間にわたってたすきをつないだ「能登駅伝」を復活させる方針を明らかにしました。
「能登駅伝」は、能登半島が国定公園に指定されたことを記念して昭和43年から10年間開催され、富山県高岡市から石川県の珠洲市や輪島市を通り、金沢市までの26区間、およそ350キロを大学生が3日間にわたってたすきをつなぎました。
馳知事は6日開かれた年頭の記者会見で被災地の復旧・復興を加速させるとともに、参加者と住民の交流を通して地域に活力をもたらすきっかけにしたいとして、能登駅伝を復活させる方針を明らかにしました。
開催に向けては、道路などの復旧や宿泊施設の確保などが必要だということで、新年度に準備委員会を設置し、数年後の開催を目指すとしています。
馳知事は、「能登のすばらしさを国内外に発信するとともに、復興の過程を知ってもらい、参加する学生が能登に関心を持ち続けるよう工夫を凝らしながら、記録より記憶に残る大会にしていきたい」と話していました。★
奥能登の 道を走る青年の たくましさに脳裏 焼き付きており
アホか、馳浩。駅伝より先にやることあるだろ。まだ上下水道も復旧してない、公費解体も進んでない&壊れた自宅の修理も住んでない、田畑や医療介護、その他生活に必要なインフラの整備も進んでない、人口流出加速etc なのに駅伝とか、ブルーインパルス飛ばしたのと変わらないだろ。仕事しろ。★
箱根駅伝をテレビで見たこの知事の「脳筋内」で
「駅伝やりたい」
がその脳細胞の殆どを占めてしまい、残り少ない脳細胞にわずかに残っていた「能登復興」と結びついて
「駅伝復活で復興だ」
になったと思われるが、
数年後の開催より今の住民生活を救うべきだと考えるには容量不足だった模様 ★
今年は、ちゃんと石川県にいたんですね?
東京の自宅でのんびりしてたかとw
地域の復旧復興が、まだ道半ばなのに駅伝てwww
アイデアなき無能知事を自ら露呈www ★
やっぱこの知事、無能だわ。
山本太郎さんの発言をガチで聞いたら、駅伝なんてまだ先の事でしょうが。。。自衛隊に土砂撤去を政府にお願いしてるレベルだよ?
石川県民じゃなくて良かった、まだ小池百合子のほうが良さそう。★
知事の眉毛にのっかりながら 言葉の放尿をつづけるがごとし
「やっぱり」の思いに自己確認する 自己像 知事と 影 抱擁して
……
「あんな、原発たてるようなとこだもの」「そりゃあばかよ」「どうしようもないわ」
こころがたしかにきずついていたのは
「抱負なんていったって、もう、しょうんないもんねえ」「なんかしゃべってるなんて知れたら、村八分だから」「お父さん、ずっと反対してたんだけど、最後には折れてしまってなあ」
どうしようもないことがあり 人生には それを受け容れるのが大人か、子どもか
悪い人ではないとおもった 悪い 悪 とは?
未来に みらいに ミライ に なにをのこすかのこさないのか
ノコシテハイケナイモノ が ある といいますか
……珠洲のヒトのコトバは、まっすぐで、屈折がなかった。いや、奥にはあった。たくさんの傷が。だけど、それは筋が通っていて、シンプルでクリアだった。対して、志賀町のヒトのコトバは、言い淀んで、ほほえみであいまいにするようなところがあった。善人。だけど、善人じゃだめだ。善人だからだめだ。ああ、そういうことはわかる。だけどおれはこのおかあさんを、悪人とはいえない。いやいや、そういう話じゃないんだよ……。おれは、なんだかとってもやるせなくて、やるせなくて、それで、帰りの深夜バスのなかでひとり、お決まりの、感傷があり、輝度を最低にしたスマホに打ち込む
人と人のあいだに心がありその心の無意識を今度は詩にして歌にしようと
歌にしようと
人と人のあいだの心
その無意識
2024年9月19日
殺害は舞台裏でおこなわれて
云々
という詩があったなあ
と思い出す
そんな時間が必要だ
おれには友はいるのか?
と思いながら
せめてものコトバを吐き出しつづける
おれははおれの脳内で
そうして情報端末に
送信ボタンをタッチする
タッチスクリーンが
無機質なそれが
心と心はつながるだろうか
表現に意味はあるだろうか
すべてむなしい
人間がいくら偉そうにしても
単なる威張り合いでおわっている
お山とお山の大将が
にらめっこして投票を競っても
おれもまたおなじことをするしかない
んだと
ありがたい忠告をいただく
「おれはつかれたよ」
吐露するは友よ
友というものを仮構する
そうして友だちになる
云々
という詩があったなあ
と思い出す
そんな時間が必要だ
おれには友はいるのか?
と思いながら
せめてものコトバを吐き出しつづける
おれははおれの脳内で
そうして情報端末に
送信ボタンをタッチする
タッチスクリーンが
無機質なそれが
心と心はつながるだろうか
表現に意味はあるだろうか
すべてむなしい
人間がいくら偉そうにしても
単なる威張り合いでおわっている
お山とお山の大将が
にらめっこして投票を競っても
おれもまたおなじことをするしかない
んだと
ありがたい忠告をいただく
「おれはつかれたよ」
吐露するは友よ
友というものを仮構する
そうして友だちになる
2024年6月22日
死んでもいい
それは「信じるもの」があったからだ!
でもいまはなにもない
死 すらも意味がない
ああ価値よ
信ずるに値するものよ
かつては人間!
だけどいまは
計算機のうえをすべる数値が
至上の価値だってんなら
おれの言葉は意味ないね!
詩も文学も
とおくにおいてきちまったい
ああ
とりにいこう
とりにもどろう
かつていた場所にもういちど
やりなおさなくっちゃあ!
今度はべつのやりかたで
それしかないさ
そうするんさ
さあ……
それは「信じるもの」があったからだ!
でもいまはなにもない
死 すらも意味がない
ああ価値よ
信ずるに値するものよ
かつては人間!
だけどいまは
計算機のうえをすべる数値が
至上の価値だってんなら
おれの言葉は意味ないね!
詩も文学も
とおくにおいてきちまったい
ああ
とりにいこう
とりにもどろう
かつていた場所にもういちど
やりなおさなくっちゃあ!
今度はべつのやりかたで
それしかないさ
そうするんさ
さあ……
2024年5月9日
「朝」
詩を書くのはどのような習慣か?
メモを取るように
書きとめる
が
どう心をひらくか?
個人の 誰もめをふれない
場所での文章と
こうしたネットの場所は
それだけでも構えが異なる
それはそうなんだけどねえ
たとえばライブでMCするとき
構えはどうか?
今朝
セブンイレブン
の
ところ
で
解体工事
ああ あれ もうないよ
くだけとんだコンクリートの山
の上に
重機が鎮座ましまして
(どうやって登ったのかしらん)
セブンイレブンコンビニは
匿名の記憶
記録にも残らず
いつのまにか消える
詩を書くのはどのような習慣か?
メモを取るように
書きとめる
が
どう心をひらくか?
個人の 誰もめをふれない
場所での文章と
こうしたネットの場所は
それだけでも構えが異なる
それはそうなんだけどねえ
たとえばライブでMCするとき
構えはどうか?
今朝
セブンイレブン
の
ところ
で
解体工事
ああ あれ もうないよ
くだけとんだコンクリートの山
の上に
重機が鎮座ましまして
(どうやって登ったのかしらん)
セブンイレブンコンビニは
匿名の記憶
記録にも残らず
いつのまにか消える
2024年5月6日
「能登」
能登に行った ふたたび
「お前なんて来るんじゃねえよ」
という声が聞こえた気がして、海鳥
が告げたのだと
かんじたけれど。
能登に行ってなにを見ますか?
なにを
半壊、全壊の建物
嘆くおじいさん
「迷惑なんてとんでもない、来てください」のひと
の、笑顔
▼
「まあ、地元でこんなこと言うのもよくないですけど……正直、人が一ヶ月いられる環境じゃない」
空気がくもって焼き鳥が落ちた それは気のせいだったけど たしかに黒いコゲがぴりっと剥がれ それに気づくぼくの軽薄さもにらんでいた
▼
「私」を押し出して、前面に立てて、「俺がやるのは文学だ」なんて意気込んだ。
それは、どうしたって、「被災地を食いものにするアーティスト」の像につらなってしまう
ように思われた。
じっさい
俺なんてそんなもんだ
手を動かすより口を 頭を動かせば
必ず他人を傷つける
「身勝手なひと」
は
去れ
▼
A おまえはぬるいよ。いいから、量を出せよ。量が、足りないんだよ。それだから、薄くて、構築物がないんだよ。
B そうかもしれないな。なんだか一歩目を踏み出して、そのすぐに、自分の一歩目におののいてるような……。
A そしてそれ自体が、自慰的だってね。観念の自慰をしてても、しかたないんだ。もっと具体的になるんだ。
B ここでは、詩を書きたい。詩にならないんだ。詩をつくるためには、やっぱりもっと、自分をえぐらないといけない……。
A どうするんだ? 中途半端な自慰は、もう自分を傷つけないだろうし、それは自己批判めかした自己慰撫にすぎない。
B その路線そのものが、なんの意味をもつか? つながりのない場所に、つながりをつくる。そのためには、アクロバティックな操作が必要じゃないかしら。だから、自分の内面をテコにして、被災地と、能登と、自分をつなげようとした。その試みは、試みだけでごろっと転がって、善でも悪でもない、他愛無い遊戯と思われてる。現実に、ひっかいてないんだ。自分そのものもふくめて。自分をひっかいて現実をひっかく。そのような構えが必要じゃないか?
A それがきみの言いたいことなら、それでいいと思うけど、その試みに、勝算はあるのか?
B とにかくやってみるさ。
自分のことなら歌える。でも、縁もゆかりもない場所のことを歌っても、説得力もないし、迫力もでないよ、ってね。安い共感になるよ、ってね。それだから、誰も、得しないことはやらないってことだ。ぼくのやりたいことがわかるか? ぼくは、現実をひっくり返したいんだ。ほんとうだよ。あまりに、ぼくにとって、つまらないんだ。ちがう。ぼくがつまらない。ぼくのやってることが、ぼくにつまらない。
A 現実がつまらない。現実に起こってることが、これじゃだめだとおもえる。おい、「生きるに値する世界」って覚えてるか?
B ああ。そのことなんだ。……さっぱり、共感の糸がないのだがね。
▼
「仮設、あいてるようだねえ」「抽選、当たらんかったわ」
おじいさんの嘆き節を 聞いたあとの「コンパクトシティ」小学校では子らの声ひびき
能登に行った ふたたび
「お前なんて来るんじゃねえよ」
という声が聞こえた気がして、海鳥
が告げたのだと
かんじたけれど。
能登に行ってなにを見ますか?
なにを
半壊、全壊の建物
嘆くおじいさん
「迷惑なんてとんでもない、来てください」のひと
の、笑顔
▼
「まあ、地元でこんなこと言うのもよくないですけど……正直、人が一ヶ月いられる環境じゃない」
空気がくもって焼き鳥が落ちた それは気のせいだったけど たしかに黒いコゲがぴりっと剥がれ それに気づくぼくの軽薄さもにらんでいた
▼
「私」を押し出して、前面に立てて、「俺がやるのは文学だ」なんて意気込んだ。
それは、どうしたって、「被災地を食いものにするアーティスト」の像につらなってしまう
ように思われた。
じっさい
俺なんてそんなもんだ
手を動かすより口を 頭を動かせば
必ず他人を傷つける
「身勝手なひと」
は
去れ
▼
A おまえはぬるいよ。いいから、量を出せよ。量が、足りないんだよ。それだから、薄くて、構築物がないんだよ。
B そうかもしれないな。なんだか一歩目を踏み出して、そのすぐに、自分の一歩目におののいてるような……。
A そしてそれ自体が、自慰的だってね。観念の自慰をしてても、しかたないんだ。もっと具体的になるんだ。
B ここでは、詩を書きたい。詩にならないんだ。詩をつくるためには、やっぱりもっと、自分をえぐらないといけない……。
A どうするんだ? 中途半端な自慰は、もう自分を傷つけないだろうし、それは自己批判めかした自己慰撫にすぎない。
B その路線そのものが、なんの意味をもつか? つながりのない場所に、つながりをつくる。そのためには、アクロバティックな操作が必要じゃないかしら。だから、自分の内面をテコにして、被災地と、能登と、自分をつなげようとした。その試みは、試みだけでごろっと転がって、善でも悪でもない、他愛無い遊戯と思われてる。現実に、ひっかいてないんだ。自分そのものもふくめて。自分をひっかいて現実をひっかく。そのような構えが必要じゃないか?
A それがきみの言いたいことなら、それでいいと思うけど、その試みに、勝算はあるのか?
B とにかくやってみるさ。
自分のことなら歌える。でも、縁もゆかりもない場所のことを歌っても、説得力もないし、迫力もでないよ、ってね。安い共感になるよ、ってね。それだから、誰も、得しないことはやらないってことだ。ぼくのやりたいことがわかるか? ぼくは、現実をひっくり返したいんだ。ほんとうだよ。あまりに、ぼくにとって、つまらないんだ。ちがう。ぼくがつまらない。ぼくのやってることが、ぼくにつまらない。
A 現実がつまらない。現実に起こってることが、これじゃだめだとおもえる。おい、「生きるに値する世界」って覚えてるか?
B ああ。そのことなんだ。……さっぱり、共感の糸がないのだがね。
▼
「仮設、あいてるようだねえ」「抽選、当たらんかったわ」
おじいさんの嘆き節を 聞いたあとの「コンパクトシティ」小学校では子らの声ひびき