2024年6月22日
死んでもいい
それは「信じるもの」があったからだ!
でもいまはなにもない
死 すらも意味がない
ああ価値よ
信ずるに値するものよ
かつては人間!
だけどいまは
計算機のうえをすべる数値が
至上の価値だってんなら
おれの言葉は意味ないね!
詩も文学も
とおくにおいてきちまったい
ああ
とりにいこう
とりにもどろう
かつていた場所にもういちど
やりなおさなくっちゃあ!
今度はべつのやりかたで
それしかないさ
そうするんさ
さあ……
それは「信じるもの」があったからだ!
でもいまはなにもない
死 すらも意味がない
ああ価値よ
信ずるに値するものよ
かつては人間!
だけどいまは
計算機のうえをすべる数値が
至上の価値だってんなら
おれの言葉は意味ないね!
詩も文学も
とおくにおいてきちまったい
ああ
とりにいこう
とりにもどろう
かつていた場所にもういちど
やりなおさなくっちゃあ!
今度はべつのやりかたで
それしかないさ
そうするんさ
さあ……
2024年5月9日
「朝」
詩を書くのはどのような習慣か?
メモを取るように
書きとめる
が
どう心をひらくか?
個人の 誰もめをふれない
場所での文章と
こうしたネットの場所は
それだけでも構えが異なる
それはそうなんだけどねえ
たとえばライブでMCするとき
構えはどうか?
今朝
セブンイレブン
の
ところ
で
解体工事
ああ あれ もうないよ
くだけとんだコンクリートの山
の上に
重機が鎮座ましまして
(どうやって登ったのかしらん)
セブンイレブンコンビニは
匿名の記憶
記録にも残らず
いつのまにか消える
詩を書くのはどのような習慣か?
メモを取るように
書きとめる
が
どう心をひらくか?
個人の 誰もめをふれない
場所での文章と
こうしたネットの場所は
それだけでも構えが異なる
それはそうなんだけどねえ
たとえばライブでMCするとき
構えはどうか?
今朝
セブンイレブン
の
ところ
で
解体工事
ああ あれ もうないよ
くだけとんだコンクリートの山
の上に
重機が鎮座ましまして
(どうやって登ったのかしらん)
セブンイレブンコンビニは
匿名の記憶
記録にも残らず
いつのまにか消える
2024年5月6日
「能登」
能登に行った ふたたび
「お前なんて来るんじゃねえよ」
という声が聞こえた気がして、海鳥
が告げたのだと
かんじたけれど。
能登に行ってなにを見ますか?
なにを
半壊、全壊の建物
嘆くおじいさん
「迷惑なんてとんでもない、来てください」のひと
の、笑顔
▼
「まあ、地元でこんなこと言うのもよくないですけど……正直、人が一ヶ月いられる環境じゃない」
空気がくもって焼き鳥が落ちた それは気のせいだったけど たしかに黒いコゲがぴりっと剥がれ それに気づくぼくの軽薄さもにらんでいた
▼
「私」を押し出して、前面に立てて、「俺がやるのは文学だ」なんて意気込んだ。
それは、どうしたって、「被災地を食いものにするアーティスト」の像につらなってしまう
ように思われた。
じっさい
俺なんてそんなもんだ
手を動かすより口を 頭を動かせば
必ず他人を傷つける
「身勝手なひと」
は
去れ
▼
A おまえはぬるいよ。いいから、量を出せよ。量が、足りないんだよ。それだから、薄くて、構築物がないんだよ。
B そうかもしれないな。なんだか一歩目を踏み出して、そのすぐに、自分の一歩目におののいてるような……。
A そしてそれ自体が、自慰的だってね。観念の自慰をしてても、しかたないんだ。もっと具体的になるんだ。
B ここでは、詩を書きたい。詩にならないんだ。詩をつくるためには、やっぱりもっと、自分をえぐらないといけない……。
A どうするんだ? 中途半端な自慰は、もう自分を傷つけないだろうし、それは自己批判めかした自己慰撫にすぎない。
B その路線そのものが、なんの意味をもつか? つながりのない場所に、つながりをつくる。そのためには、アクロバティックな操作が必要じゃないかしら。だから、自分の内面をテコにして、被災地と、能登と、自分をつなげようとした。その試みは、試みだけでごろっと転がって、善でも悪でもない、他愛無い遊戯と思われてる。現実に、ひっかいてないんだ。自分そのものもふくめて。自分をひっかいて現実をひっかく。そのような構えが必要じゃないか?
A それがきみの言いたいことなら、それでいいと思うけど、その試みに、勝算はあるのか?
B とにかくやってみるさ。
自分のことなら歌える。でも、縁もゆかりもない場所のことを歌っても、説得力もないし、迫力もでないよ、ってね。安い共感になるよ、ってね。それだから、誰も、得しないことはやらないってことだ。ぼくのやりたいことがわかるか? ぼくは、現実をひっくり返したいんだ。ほんとうだよ。あまりに、ぼくにとって、つまらないんだ。ちがう。ぼくがつまらない。ぼくのやってることが、ぼくにつまらない。
A 現実がつまらない。現実に起こってることが、これじゃだめだとおもえる。おい、「生きるに値する世界」って覚えてるか?
B ああ。そのことなんだ。……さっぱり、共感の糸がないのだがね。
▼
「仮設、あいてるようだねえ」「抽選、当たらんかったわ」
おじいさんの嘆き節を 聞いたあとの「コンパクトシティ」小学校では子らの声ひびき
能登に行った ふたたび
「お前なんて来るんじゃねえよ」
という声が聞こえた気がして、海鳥
が告げたのだと
かんじたけれど。
能登に行ってなにを見ますか?
なにを
半壊、全壊の建物
嘆くおじいさん
「迷惑なんてとんでもない、来てください」のひと
の、笑顔
▼
「まあ、地元でこんなこと言うのもよくないですけど……正直、人が一ヶ月いられる環境じゃない」
空気がくもって焼き鳥が落ちた それは気のせいだったけど たしかに黒いコゲがぴりっと剥がれ それに気づくぼくの軽薄さもにらんでいた
▼
「私」を押し出して、前面に立てて、「俺がやるのは文学だ」なんて意気込んだ。
それは、どうしたって、「被災地を食いものにするアーティスト」の像につらなってしまう
ように思われた。
じっさい
俺なんてそんなもんだ
手を動かすより口を 頭を動かせば
必ず他人を傷つける
「身勝手なひと」
は
去れ
▼
A おまえはぬるいよ。いいから、量を出せよ。量が、足りないんだよ。それだから、薄くて、構築物がないんだよ。
B そうかもしれないな。なんだか一歩目を踏み出して、そのすぐに、自分の一歩目におののいてるような……。
A そしてそれ自体が、自慰的だってね。観念の自慰をしてても、しかたないんだ。もっと具体的になるんだ。
B ここでは、詩を書きたい。詩にならないんだ。詩をつくるためには、やっぱりもっと、自分をえぐらないといけない……。
A どうするんだ? 中途半端な自慰は、もう自分を傷つけないだろうし、それは自己批判めかした自己慰撫にすぎない。
B その路線そのものが、なんの意味をもつか? つながりのない場所に、つながりをつくる。そのためには、アクロバティックな操作が必要じゃないかしら。だから、自分の内面をテコにして、被災地と、能登と、自分をつなげようとした。その試みは、試みだけでごろっと転がって、善でも悪でもない、他愛無い遊戯と思われてる。現実に、ひっかいてないんだ。自分そのものもふくめて。自分をひっかいて現実をひっかく。そのような構えが必要じゃないか?
A それがきみの言いたいことなら、それでいいと思うけど、その試みに、勝算はあるのか?
B とにかくやってみるさ。
自分のことなら歌える。でも、縁もゆかりもない場所のことを歌っても、説得力もないし、迫力もでないよ、ってね。安い共感になるよ、ってね。それだから、誰も、得しないことはやらないってことだ。ぼくのやりたいことがわかるか? ぼくは、現実をひっくり返したいんだ。ほんとうだよ。あまりに、ぼくにとって、つまらないんだ。ちがう。ぼくがつまらない。ぼくのやってることが、ぼくにつまらない。
A 現実がつまらない。現実に起こってることが、これじゃだめだとおもえる。おい、「生きるに値する世界」って覚えてるか?
B ああ。そのことなんだ。……さっぱり、共感の糸がないのだがね。
▼
「仮設、あいてるようだねえ」「抽選、当たらんかったわ」
おじいさんの嘆き節を 聞いたあとの「コンパクトシティ」小学校では子らの声ひびき