28才、ありがとう。 |
28才は今日で終わり。
もうすぐ、29才になる。 年をとる。一年を振り返る。 記録に残ってるライブの履歴。 うーん、そうかそうか、と見返す。 28才ありがとう と、言えるだろうか。 内々で、ひとりっきりでいっぱいになるような時間。 与えられた場で一生懸命やろうとした時間。 時代の風景に見とれたり憂いたりした時間。 そしていまここにいる。 記録に残ってるものを見返してみて、 なにもかもが、なにもなかったかのように 思い出のようなものも、なにもなかったように、 軽く、かんじる。 「もっとなにかできなかったろうか」 なんてことを、おもわず思ってしまったりするけど、 カタチとして残らなくても、 カタチとして残っても、 どっちでも、本質的には変わらないのだ。 28才ありがとう、 なんて、言えるだろうか。 このコラムを、読み返す。 正直いって、びくびくする。 「おまえはバカだ」と言われたことを思い出す。 そうだ俺は、バカなのだ。 そして思うけれど、やっぱり、どうしても、 バカじゃなくちゃどうしようもない。 バカじゃないと、なにもできない。 なにもかもクリアーで、わかりきってて、 なんて状態は俺にはない。 バカ。自由。 そしてそれに、勇気を与えてくれるもの、 肯定を与えてくれるものに、すがる。 やっと一段落。 「あ、バカやってきたなあ」 と、振り返って思えるまでには、 それなりに道を歩いてないといけない。 正直。本音。 「ホンネ」の部分を話すこと。 平凡な事実。 凡庸な。ありきたりな。 28才ありがとう と言える頃には、 きっと何かと、決別してる。 バカであることを、やめないこと。 誰からもバカにされたり、 陰でバカにされたり、 あるいは自分の思い込みが、大きすぎるだけだったり、 そんなんもろもろ、引き受けて、 もっとバカになること。 バカであること。おおっぴらに。 俺は、バカだ。 だから、やめないよ。 |